データシート(レシピ)の読み方について

ここで記述する内容は、入手可能なパーツが限られている日本での前提ですからね。本当ならば書かれているとおりにしたほうが良いです。

また、これはあくまで私見です。
間違っている場合もあります。と言うか間違っています。(だってレシピ通りが正しいですからね。)

あくまで日本の事情ということです。

海外のサイトを見ると色々なレシピがあります。
下記のような感じです。



Hodgdonのリローディングレシピより

「gr」って書かれているところが、火薬量です。(グレーン表記です。1グレーン約0.06gです。)
※fpsは初速、PSIは圧力です。
工場装弾のスラッグの初速は1000fps〜1400fpsです。

 
散弾銃の場合、火薬を購入しようとしても日本ではLONGSHOTが主流になると思います。(表のPOWDERのところね)
このLONGSHOTって、レシピの記載も僅かです。

それに薬莢の指定もありますが、ろくに薬莢も選べないです。

また、雷管はWin.209か、Fed209Aです。
日本じゃ選びようがないんです。(表のPRIMERのところね)


ワッズ(WAD)に至っては私のところでWAA12/WAA12Rはありますが、見たことも、聞いたこともないワッズばかりです。
なにそれ?美味しいの?状態です。

しかも致命的なことに、このレシピって、スラッグじゃないんですよ。通常の散弾(バラ弾)なんです。
SHOTは弾の重さですがオンス表記なのは、たぶん、まとめてこのぐらいって重さだからだと思います。また、どうやら、ワッズ、ガスシールを含めた重さのようです。

ともかく!

ダラダラここまで書いてきましたが、
つまり・・・

適正な火薬量がわからない・・・・

という、日本ならでは悲しい構図が出来上がるわけです。

そりゃあ、適当に詰めても適当に発射できますよ。
でもね、私たちは、射撃の練習のために、お小遣いの節約のために、たくさんの弾を作りたいわけなんですよ。

狙った的に当たる正確なやつじゃないと意味がないんですよ。

だから、最初にやることは、自分の作りたい弾の「弾の重さ」を測ることです。(弾頭+ワッズ+ガスシールの総重量)

 

グレーンなのでオンスに変換します。
そこで、google様は便利、「オンス グレーン」で検索すると、変換表を表示してくれます。



弾の重さがわかったら、この際、火薬の種類を無視して、近い重さのところを探してみましょう。
雷管は、自分の持っている雷管と同じものがあると思います。

ワッズは見なかったことにしましょう。どうせスラッグだから、あんまり意味ないですからね。

で、問題は火薬です。
表全体をなんとなーく眺めてみましょう。
ポイントは、「INTERNATIONAL」と「UNIVERSAL」です。
チャートに広くまんべんなくあって、「LONGSHOT」と比較できそうです。

そして、これを見ていると、燃焼速度の差が影響しているのではないかと、見えてきます。(保証しないですよ。)

下記が燃焼速度のレーティングの抜粋です。


ここで書かれているレーティングの感じで、火薬量の差があるように見えます。

「INTERNATIONAL」と「UNIVERSAL」の1.5倍から1.25倍ぐらいで、「LONGSHOT」の火薬量ぐらいに見えます。

つまり、
「INTERNATIONAL」で、20グレーンの場合、「LONGSHOT」で30グレーンぐらい?という感じです。


あくまで自己責任ですよ。ですが、用具も素材も揃えにくい日本では、このあたりで、ひとまずの「LONGSHOT」のグレーン数を決めて、試すことから始めるのスタートかなぁと思っています。(歯切れの悪い言い方ですが・・・自己責任ですからね・・・)

そして、射場で標的を撃ってみて、適切なグレーン数を詰めていきましょう。
最初は標的にでっかいダンボールを貼り付けて、着弾を探りましょう。
標的に対して、着弾がばらつく場合は、火薬量が多い場合が多いかと思います。多いところから始めて、少しずつ火薬量を減らして探りましょう。
だんだん着弾がまとまります。
減らしすぎは、暴発の恐れがあり、めちゃくちゃ怖いですからね。

※私が計算したデータについては、もう少しデータを溜めたら公開する予定です。(ですが、自己責任ですよ。)

完全に海外の事情から考えても、間違っているアプローチですが、日本の事情では・・・ってことで、ご説明させていただきました。

ちなみにリローディング表には「Shotshell Bushing Charts」があります。これはリローディングツールで自動的に火薬を供給してショットシェルに詰めたいときに使うチャートです。
火薬を供給するパイプの太さと、1回分の火薬量が掲載されています。
が、これって大体の量です。
引き金引いたら、バーンって撃ちたいだけならば、これでいいですが、スラッグ弾でちゃんと標的射撃をしたいならば、グレーン単位でずれるので、この表の意味はないです。
下記は「Lee Load-All II」の場合のチャートです。「BUSHING」が火薬を自動供給するパイプの太さで、火薬量がグレーン単位で表記されています。


※「LGSH」が「LONGSHOT」です。

※ここでのご説明は、言うまでもなく、使い方によっては事故の発生が容易に予見されます。当然、PL法の範囲外と認識してください。利用にあたっては自己責任となります。